No.418
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:原作:草下シンヤ 作画:本田優貴
出版社: 小学館
発売日:2018/7/30(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「これ、すでに人生詰んでね?」
リアル裏社会漫画だぞ!
『裏のハローワーク』の草下シンヤ先生と『東京闇虫』シリーズ本田優貴先生の最強タッグ。
それがこの「ハスリンボーイ」です。
あらすじ
欲望あふれる副都心・池袋――
大学生のタモツは奨学金という借金の返済のため、夜な夜な裏社会のバイトに勤しむ。
それは、裏社会の住人に必要不可欠の<非合法(ハスリン)ツール>を扱う「道具屋」だった…。
なるほど面白い!
『闇金ウシジマくん』を読んだ時に感じるあの高揚感。
それと一緒です。
裏社会の現場を覗き見しているドキドキ感。
「まっとうな自分」は関わることがない、いや、関わりたくない。
でも興味はある…。
そんな野次馬根性がビンビンと刺激されます!
主人公は普通の!?大学生、タモツくん。
奨学金の返済のため、裏稼業のバイトをしています。
って!おい!
20歳そこそこの男子学生が、危ない裏稼業に足を突っ込むか??
なんて、ツッコミ野暮でございます。
いいんです。
面白ければ。
「道具屋」という非合法なバイトで稼ぐ主人公タモツくん。
取引相手は裏社会の曲者ばかり。
不本意ながら、毎回トラブルに巻き込まれます。
一見、弱そうにも見えるタモツくん。
降りかかる窮地を機転とハッタリ、持ち前の度胸でいかに切り抜けていくのか?
その攻防が見どころ!
このハラハラがたまらない。
ハスリンな人たち。
久保田。通称”タモツ”
私立大の4年生。
奨学金返済のため、非合法(ハスリン)な「道具屋」をしている。
百瀬(ももせ)。
牛頭組 及川興行組員。
タモツのお得意様。
王(ワン)。
タモツが非合法な道具の仕入れを行う会社の代表。
村田。
天才的な偽造師(にんべんし)。
間宮。
道具屋のネットワークを築いた、タモツの師匠?
刑務所に服役中。
アキヒロ。
半グレ組織”侘威蛾(タイガー)”のボス。
裏のハローワーク。
本作の特徴は、やはり圧倒的な裏社会のリアリティ。
トバシ携帯のくだりや、マリファナ栽培のこと等々。
さらっと描いてあるあれこれ、ディテールが妙にリアル。
なんて、書きながら。
裏社会事情なんてよく知らないんですけど…。
知らないのに!
リアルだなぁ…
と感じさせてくれるんです。
それもそのはず。
そりゃぁ、リアルでごわすね。
取材しただけではない。
経験したからこそにじみ出るリアリティ。
それを。
普通っぽい冴えない大学生を主人公とすることで、裏社会のえげつなさを緩和し、エンターテイメント性を強調しています。
この演出が素晴らしい。
いかにも半グレないかつい兄ちゃん(*ウシジマくん的な)が主人公だと、ストーリーが重くなっちゃいますよね。
さて、評価は?
裏社会の非合法なツールのやり取りを描く本作。
扱っている題材の割には、軽妙なタッチで進んでいきます。
リアリティある描写もありながら、本編にはまだ救いようのないシーンやエピソードは出てきていません。
あくまでライト。
さて、この先どのように展開するか。
このまま「えぐい裏社会」は描かずに済むのかどうか…!?
そもそも。
なんて疑問が浮かびますが。
大丈夫です。
伏線あります。
タモツのせいで刑務所送りとなった間宮。
その間宮が作った「道具屋」ネットワークを引き継ぎ守ることを恩返しと考えているタモツ。
どんな因縁があるのか?
まだそのエピソードは描かれていません。
今後、その過去も描かれていくでしょう。
今のところ、メインテーマはあくまで道具屋タモツこと、ハスリン(非合法)ボーイの成長譚。
そこは安心して楽しんじゃえばいいのかな。
ということで。
先がとっても楽しみな【星7つ】でオススメです。
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