ヒミズ

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No.124
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆

著者:古谷実
出版社: 講談社
発売日:2001/7/13(1巻)
巻数:4巻完結

「…オレが普通じゃないからこんな事になるのか?」

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笑いの時代は終わりました…。
これより、不道徳の時間を始めます。

この帯のキャッチコピーが話題になりました。
「行け!稲中卓球部」「僕といっしょ」でギャグ漫画家として知られた古谷先生。

その作風を大きく方向転換した問題作。
それがこ「ヒミズ」です。

あらすじ

普通の生活に憧れる中三男子の住田。
彼の悩みは「自分にしか見えないバケモノ」にとりつかれていることだった…。

そのバケモノとは何なのか。
「普通」を渇望する、絶望の物語。


感 想

古谷作品の中で最も「重い」作品です。
いろんな意味で。

古谷ファンは明らかに「ヒミズ前」と「ヒミズ後」に分けられます。

それまでも、批判的な、シニカルな表現はありました。
でもそれも、あくまでギャグ漫画の範疇。

このヒミズ以降は古谷先生のリミッターが外れたかのように、どんどんと重くて痛く陰惨な描写が増えていきます。
昔のギャグのノリが好きだった人はヒミズ以降、読まなくなってしまった人もいるでしょう。
逆にヒミズのカラーに共感した人は、きっとそれ以後の古谷作品も好きなのじゃないかと。

明らかに分水嶺となった作品だと思います。

きっと古谷先生はもっと早くにこういうのを描きたかったんじゃないかな?
「稲中の人」という看板を外したかったんじゃないかな。


負の表現力。

僕は好きな漫画は何度も繰り返し読む派です。
「稲中」「僕といっしょ」は何回読んだろう?

でもこの「ヒミズ」だけは。
たった1回読んだきり。

でも。
ずっと心にこびりついてる。
それほど「負の表現力」が凄い。

自宅の書庫に眠って14年。
これを書くにあたって2回目、読んでみました。

あぁ、やっぱり重い。。

でも14年前に感じた重さとは違っていました。
それは自分自身が成長したのか、単に年をとってしまっただけか。


さて、評価は?

これは多感な少年に読ませるべきか?
報われず辛い日々を送る若者に読ませるべきか?

悩みます。

なので【星8つ】

インパクトで言えば星10ですが…。
手放しでオススメしていいのか悩みます。

でも一度読めば、ずっと記憶に「残ってしまう」作品なのは間違いありません。

全4巻を読む
(2001〜2002)


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