No.243
カテゴリ:SF
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:貞松龍壱
出版社: 講談社
発売日:2016/8/9(1巻)
巻数:4巻完結
「2人揃ってるからこそ強いんだ!」
うおおお!!
カッコイイ。
と唸ってしまったこの作品。
オッサンの童心を「これでもかっ!」とくすぐります。
王道ロボット漫画の新たな傑作となるか!?
それがこの「BUSTER DRESS」です。
あらすじ
22世紀末、人類存続の命運は「セカンドアース」開拓に託されていた。
その新惑星で謎のテロが勃発。
争乱解決のため派兵された葵晴斗。
相棒「ガンホーク」と共にこの星に降り立ったが…。
そこには思いもよらぬ敵が待ち構えていたー。
最初1巻の表紙をチラ見した時。
「また新しいガンダムのコミカライズが始まった?」
くらいの薄い認識でした。
しばらく読まずにいたのですが、2巻が出たこのタイミングで一気読み。
結果。
めっちゃオモロイやんけっ!!
オリジナル設定の王道ロボット漫画。
これほどワクワクしたのは久々じゃないか!?
画力もさることながら。
設定、シナリオも良いぞ。
これはヒットしそうな予感がプンプン。
さすが「進撃の巨人」を世に送り出した「別冊少年マガジン」。
次に来るのはこの作品かもしれません。
BUSTER DRESSの世界。
バスタードレス。
高度なAI(人工知能)を搭載した有人ロボット。
次世代の戦闘兵器。
いわゆるしゃべるロボットです。
映画「トランスフォーマー」に近い感覚。
舞台はテラフォーミング中の「セカンドアース」。
地球上ではありえないほど大きく育った植物たち。
惑星の多くは森に覆われています。
BUSTER DRESSとパイロット。
ガンホーク。
実直な性格。
晴斗の安全を最優先に考えすぎるところも(過保護)
葵 晴斗。
ガンホーク操縦者。
兄を亡くし、ガンホークを家族のように想う。
料理がうまい。
アストランティア。
規則順守の真面目な性格。
その強さに似合わずミーハーな側面も。
アイラ・篁・ベーレンブルッフ=アインシュタイン。
アストランティア操縦者。
バスタードレスAIの開発の権威、篁博士の娘。
失踪した父を追う。
カラドボルグ。
口数少なく、武人のような口調。
レグルスに忠誠を誓う。
レグルス。
カラドボルグ操縦者。
篁の後衛を務める。
アリス殲滅の特殊任務を帯びている。
アリス。
篁博士が開発した超高度AI。
「セカンドアース」の管理ステム。
物語の核心を握る。
見どころはやはり。
バスタードレス同士の戦闘シーン。
迫力のある作画。
バスタードレスそれぞれにオリジナルの特性がある、という設定もいい。
同じ武器が一つとしてなく、すべてがカスタマイズされている。
それによってバスタードレス同士の戦闘が、単なるドンパチで終わらず。
それぞれの機体特性(アビリティ)を生かした戦略が展開されます。
ガンホークならサブアームが5本出てきて、全部に銃を持って戦います。
かっこええ!
2巻まで進むとコメディ回もちらほら。
人間くさすぎるAI同士のやりとり。
女の子として葵くんを意識し出すアストランティア。
素敵やん。
さて、評価は?
そもそも。
ここまでAIに意思があるなら、操縦席つけて有人にする必要がないんじゃ。。。
と思ってしまいますが、それを言うと物語が終わってしまうので。
その人間の脆弱性に疑問を感じ、AIが反乱を起こす。
このあたりは「ターミネーター」の世界そのもの。
テラフォーミングや特殊能力を備えたロボットなどなど。
色んな「王道SF」の要素を上手くミックスしています。
凝った設定や意表をつくストーリーではありません。
でも、この王道が気持ちいい!!
それを支える確かな画力。
王道ロボットSF好きなので、それだけで楽しめちゃう。
2巻まで読んでも、まるっきり飽きず。
むしろ続きをもっとぉ!状態。
これからどこまで話が深化していくかにもよりますが…。
今のところ!
SF・ロボット好きの皆さんに。
超オススメの【星9つ】。
またまた楽しみな漫画が増えてしまいました。
これ、アニメ化はマストでしょう!
4巻を読みました。
【3/14追記】
なんと、完結です!
王道ロボット漫画として始まった本作。
秀逸なメカデザイン。
精緻な作画クオリティ。
あの「サンダーボルト」と並んで、毎巻楽しみにしていたロボットSF作品でした。
それが!
打ち切り?的なこの終わり。
いや。
第一部・完。
が近いかも。
マジかーー。
残念すぎる。
結局、どんな話だったの?
地球が汚染され、その移住先として開発が進んだセカンドアース。
その惑星管理を担っていた「アリス」というAIが反乱。
その制圧に向かったバスタードレス隊(AI搭載)が、アリスにハッキングされどんどん反乱軍が増大。
降下部隊の3回目に投入された主人公とその相棒ガンホーク。
ガンホーク、アリスのハッキングを受けるもはねのける。
戦闘AIとしてはありえない抵抗に「アリス」が興味を抱き、主人公たちの拉致を計画。
1機だけ生き残った主人公たちは、秘密裏に「アリス」の破壊の命を受けていたエリート部隊(騎士)の一つと合流。
アリス破壊に向けて行動を共にする。
その精鋭部隊の一機がパイロット(人間)ごとアリス側に寝返り、人類滅亡を企てる。
「アリス」がセカンドアースの周回軌道に浮かぶ主人公たちの母船をハッキングして奪えば人類滅亡。
それより先に「アリス」の電源供給を行う発電所を破壊すれば主人公サイドの勝利。
そして迎える、発電所での最終決戦!
みたいな話でごわす。
駆け足で1〜4巻までの流れでした。
さて、最終評価は?
主人公の生い立ちの秘密や、ガンホークの特殊なAIの生まれた理由。
篁博士が暴走したきっかけ、アリスの生まれた過程等々。
重要なファクターはすべて回収したものの、未回収なシナリオも山積。
まさに「これから」というところでの終幕。
う〜〜ん。勿体ない。
人気でなかったのかなぁ。
僕的には期待大だった作品なだけに、この突然の終幕には残念でならない。
ということで【星7つ】でフィニッシュです。