No.223
カテゴリ:ダークファンタジー
オススメ度4 ★★★★☆☆☆☆☆☆
著者:二宮志郎
出版社: 講談社
発売日:2017/1/23(1巻)
巻数:4巻完結
「それでも大丈夫だから」
近所の本屋の新刊コーナー。
そっと1冊だけ置いてありました。
表紙を見た瞬間。
これは「オモロイやつや!」
とピンときました。
さて、今回の表紙買いは当たりかハズレか?
それがこの「鳥葬のバベル」です。
あらすじ
リサイクルショップ店員・加瀬宗助。
里親・駿河の元へ顔を出したその日。
恩師・駿河は突如出現した謎の巨鳥に殺されていた。
傍らには、駿河が新しく引き取った愛娘・マリが残されていた。
加瀬は、マリを守りながら巨鳥と戦うことを決意するが…。
謎だらけ!
伏線だらけ!
ストーリーにぐいぐい引きこむ!
突然の巨鳥の出現。
いきなり事件に巻き込まれる主人公。
そこからはジェットコースター的に物語は進みます。
牛の怪物。
翼の生えた女。
次々と出てくる人外の存在。
この話は一体なんなのか?
安っぽいモンスター系ファンタジーになるのか?
それとも?
まったく先が読めないぞ。
面白くなりそうな気配はしています。
でも、まだわからない。
バベルな人たち。
加瀬宗助。
リサイクルショップ店員。
壮絶な過去がある様子。まだ内容はわからない。
駿河は恩人だと語る。
駿河の死後、その愛娘・マリを守ると決意する。
マリ。
駿河の愛娘。養子?
一度、巨鳥に飲み込まれる。
飲まれてから、目が赤くなり、鉄製のドアノブを破壊するほど怪力に。
駿河。
加瀬を20年前に引き取った。
巨鳥の存在と何か謎を知っていた模様。
巨鳥に食い殺される。
黒田。
ベテラン刑事。
駿河殺しを担当し事件を追う。
謎の女。
加瀬の勤めるリサイクルショップの前のコンビニ店員。
背中に翼が生えている。
巨鳥を何か知っている。
謎の巨鳥・サンダーバード。
顔にお面のようなものが付いている。
細かいところがいい。
著者の二宮先生は今作が初連載とのこと。
これはすごい!
確かに作画はまだまだ上手くなりそうな余地がありそうです。
それよりも。
注目したいのは、人物の細かい描写。
その表情や仕草です。
緊張感あるシーンや、パニックになるシーン。
「ああ、確かにそう動くかも」みたいに。
人間の言動、行動が妙にリアルです。
何でもないシーンでの会話にも。
キャラの性格が伝わってくるようなセリフ。
全体的に人物の細かいところにリアリティを持たせてきます。
あの「寄生獣」の岩明先生の人物描写に近い気がします。
さて、評価は?
兎にも角にも。
まだまだ謎が多すぎる。
大筋が見えない。
サンダーバードと呼ばれる巨鳥の存在。
一度その巨鳥に飲み込まれたマリの変化。
各地で起こり始める行方不明事件。
1巻は「?????」で終わりました。
次が気になるわーー!!
タイトルにもある「鳥葬」と「バベル」。
何か大きな意味がありそうなのですが…。
面白くなりそうな予感がプンプンしてます。
期待をこめて【星8つ】とさせて頂きます。
4巻を読みました。
ついに完結です。
謎が謎を呼ぶダークファンタジー。
先の読めない展開に、期待大で毎回楽しみにしていた本作。
ですが。
急に終わっちゃったYO!
おいおーーい!
3巻まで丁寧に伏線を張りつつ、ストーリーを進めて来ていたのに。
4巻になって、一気に伏線のスピード回収。
あまりに強引にダッっと回収したのでこぼれ落ちたもの多数。
最後の最後でずっこけました。。
⬇︎ ここから若干ネタバレあります。
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そもそも謎の巨鳥「サンダーバード」。
こいつの生まれた理由、存在する理由。
もっと深い、大きな謎があるかと思っていました。
ないです。
ざっとまとめると。
駿河が20年前に卵をどこかで拾う。
↓
事務所に飾る。
↓
訪ねてきた粗野な友人が卵を割る。
↓
↓
謎の鳥生まれる。
↓
友人が飼う。
↓
↓
謎の鳥に食われた生き物が蘇るのを友人知る。
↓
友人、暴走して人間で試す。
ハアァ????
ツッコミどころ満載です。
謎の鳥が食ったものが何故「生き返る」のかはスルー。
そういうもん、で押し通す。
その、サンダーバードの卵を強引に割った、駿河の友人こと牛島。
こいつがすべての黒幕なのですが。。
なんとも、やっすい(笑)
浪速のチンピラ親父そのもの。
これほどのダークファンタジーの最終親玉(ラスボス)としては、あまりに場違いで役不足。
どうしてこうなった。。
さて、最終評価は?
主人公の秘密や、サンダーバードの生まれた過程。
そこはなんとか説明できたものの、その他は投げっぱなし。
サンダーバードによって生み出され能力を持った怪物となった人間たちの行く末は?
サンダーバードによって世界が滅ぼされる!となった理由は?
サンダーバードにマリがもう一度食べられてすべて解決したのは?
・・・・・・。
細けぇことはいいんだよ。
そもそも「鳥葬」って何やねん?
著者の考えていた結末は最初からこれだったのかな?
あまりに最後がドタバタで。
消化不良もいいとこです。
急激にB級怪物ファンタジーに成り果て終わってしまった印象。
ということで。
期待大で【星8つ】をつけていた作品ですが。
最後は急激な失速で【星4つ】とさせて頂きます。