No.412
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:さの隆
出版社: 講談社
発売日:2018/3/9(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「これからオマエは未来永劫 過去に復讐され続けるんだ」
悪魔とありますが。
ダークファンタジーではありません。
悪魔と評されるほど、狡猾で残虐なイジメっ子が、もし記憶をなくしてしまったら?
イジメられた側はどうするのか?
過去の罪によって、復讐される少年のストーリー。
それがこの「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」です。
あらすじ
半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。
記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られる。
次々に現れる彼の過去を知る者、復讐者たち。
彼はかつて悪魔と呼ばれるほど恐れられる存在だった…!?
こ、これは…。
なかなかにヘヴィ。
記憶を失った少年の過去の罪を解き明かすミステリーサスペンス。
緊張感のあるストーリー展開。
少しづつ明かされていく少年の過去。
1話目からテンポよくグイグイ引きこみます。
とても面白い。
ですが!
その「過去の罪=イジメ」というのが。
シャレにならない胸糞レベル。
もはやイジメとは呼べない。
カツアゲ、傷害、強姦、そして殺人まで!?
重犯罪のオンパレード。
そんなことが中学生に可能なんか!?
というところは置いておき。
その壮絶な悪童ぶりには、ドン引き必至です。
悪魔な人たち。
斎藤悠介。
高校1年生。
半年間の失踪後、記憶喪失となって発見される。
高校に入るまでの15年分の記憶がない。
環(たまき)。
記憶をなくした後の現在の祐介の彼女。
久保 秋(しゅう)。
バイト先の同僚。
背中に壮絶な火傷の痕がある。
会澤 陽二郎。
過去の祐介の相棒。
手の甲に穴が空いている。
イジメなんてレベルじゃない。
バイト先の同僚、友達だと思っていた人物が、かつての自分がイジメ抜いた少年。
その口から語られる、祐介の壮絶な罪。
熱湯かけ。
「地図帳をなくしたから」という理由で、背中に火傷痕で日本地図を描こうとする。
ヤバすぎです。
完全にサイコパス。
その悪魔な祐介と悪行の数々を共にした相棒の会澤。
親友と呼ぶその相棒でさえも、最初は祐介のターゲットだった模様。
キラッキラなこの瞳!
マジで狂気。
そしてここまで…。
まさに悪魔です。
過去に何が?
まるっきり過去の記憶を失っている祐介。
ある日、半年間の失踪から、全裸でボートで浮いているところを発見されます。
自らの意思なのか、それとも誰かによってなのか?
記憶をなくした後は、平凡な高校生として過ごしていた祐介。
そこへ会澤が現れます。
悪行の片棒を担いでいた会澤。
すべての証拠を祐介が握ったまま失踪し、そして記憶喪失に。
その証拠を取り戻し、処分するために、祐介に記憶を取り戻す協力を申し出ます。
すべての記憶をなくしていた祐介ですが。
ただ一つだけ、夢で見る記憶。
それは誰かにナイフを何度も突き立てているシーン。
殺した相手とは誰なのか?
記憶をなくしたことに関係しているのか?
今後はその謎解きを軸に進んでいく模様です。
さて、評価は?
このタイトルも意味深です。
「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」となっています。
僕らとは誰と誰のことなのか?
祐介と、そのかつての相棒の会澤のことなのか?
それとも…?
その謎も今後明かされていくのでしょう。
少年は過去の罪を知る者たちから復讐されていくのか!?
この先どんな展開になるか読めません。
鬱になりそうなバッドエンドも覚悟して読みすすめたいと思います。
ミステリー好きの方にはオススメしたいのですが、なかなかに胸糞な描写もありますので、イジメ系が苦手な方にはちょっとツラいかも。
ということで【星7つ】でオススメです。
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