No.245
カテゴリ:SF
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:江本晴
出版社: イーストプレス
発売日:2017/2/19(1巻)
巻数:1巻完結
「お、女って大変だな・・」
「あれ」ってなによ?
気になるわぁ!
その謎のタイトルと。
薄幸そうな少女のイラストの表紙が気になりました。
それがこの「15で少女は、あれになる。」です。
あらすじ
すべての少女は15歳になると地球外生物から身を守るために左手に“パクニマ”と呼ばれるエイリアンを移植しなければならない。
そんな世界で生きる思春期の少女たちのせつない青春譚。
描いてある切り口が面白い。
これはSFなのか…!?
表紙裏の作品の紹介文。
「4人の少女たちの乙女心を瑞々しいタッチで描く恋愛連作集」
・・・そう。
本作は恋愛がテーマ。
左手にエイリアンを移植され。
そのエイリアンと共に成長し。
地球外生物を倒していくアタシ!!
じゃ、ありまっっせん!
思春期まっただ中に。
少女が左手にエイリアンを移植されてしまったら?
そりゃぁもう、悲惨でしょう。
当然、甘くせつない恋愛ストーリーになるはずない…。
陰鬱でディストピアで終末感ありまくりの話を期待してたら。
おいおいおい。
甘くせつないよぉ!
なんで?
なんで?ここに着地できるんだ?
パクニマってなんだ?
ホモニマ。
地球外生命体。
19〜40歳までの女性のみを襲う。
パクニマ。
ホモニマの一種を改良。
人体と共生できるようにしたもの。
ホモニマに襲われた時に戦える唯一の武器に変化する。
どうやってそんなことができるんだ?
なんてツッコミ野暮でございます。
賢い人達(笑)。
この一言で十分じゃないか!!
なぜ移植は左手限定なのか?
そこに明確な説明はない。
ビュッ!!!となって
シャキーーーン!!!
右手だと寄◯獣の「ミギー」とあれしちゃうから….。
大人の事情かも。
あらすじ & 1カット
4人の少女のせつない青春譚を収録。
すべて1話完結のエピソードです。
1. 梨花の場合
好きな男の子から「宇宙人の動画を撮らせてよ」と冷やかされる話。
2. タナの場合
左手に移植したはずのパクニマが、あることで性器に移動してしまう話。
3. さえの場合
憧れの幼馴染に「強い子が好き」と言われパクニマを鍛える少女の話。
4. まゆの場合
パクニマとの付き合い方を模索する少女がある男子と出会う話。
僕的にはエピソード2の「タナの場合」が切なくてお気に入り。
さて、評価は?
SF作品として読むと肩透かし。
エイリアンとのバトルなんてほとんどありません。
「設定の細かいとこは突っ込むなよ?」
というスタンス。
これは特殊なシチュエーションの恋愛短編集として楽しむのが良いかと。
SF作品の舞台設定としては、相当重く悲惨なテーマなはずなのに。
本作に悲惨な空気はまるでなく。
普通に、少女たちが恋に悩み、葛藤しています。
深く掘り下げない。
このライトさはアリだなと。
なので【星6つ】でオススメです。
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