No.１８０
カテゴリ：パニック・ホラー
オススメ度６ ★★★★★★☆☆☆☆著者：杉山敏
出版社: 幻冬舎
発売日： 2007/8/24（１巻）
巻数：４巻完結
「この区域への出入りを禁じます」
ある日突然、どでかい昆虫が襲ってきたら！？
町が突然隔離されたら？
モンスター系サバイバル・パニック・ホラー。
それがこの「インセクツ」です。
あらすじ
製薬会社・テルバイド化学が開発した「ペレナドウイルス」。
被験体となった昆虫の巨大化、凶暴化という予期せぬ結果を招く。
独自で事態の取集を計るも失敗。
支援要請を受けた政府は町を閉鎖、自衛隊の投入を決める。
しかし、それは巧みに仕組まれた陰謀の始まりでもあった…。
ウイルスによる昆虫の突然変異。
この設定はまるで、昔のアメリカのB級パニックムービーを彷彿とさせます。
安っぽいパニック・ホラーなのかな？
…と、最初は思っていましたが。
なんのなんの！！
たっぷり魅せてくれます。
期待以上に面白い。
ストーリー展開が早く、テンポが良い。
モンスターパニック系の作品にありがちな「逃げ惑う人々」を描くのではなく。
冷静に行動し、なんとか事態を打開しようとする、登場人物たちの奮闘する姿を描いています。
多彩な登場人物たち。
それぞれの役割をきっちりこなしてくれます。
バイオハザードを起こした研究員たち。
残された町の人たち。
何も知らず派遣された自衛隊員たち。
外部から事態解決を模索する研究仲間。
そして何やら隠している政府とその機関。
主役をはっきりと決めず。
それぞれの主要人物たちのシーンをどんどん切り替えていきます。
それによって各所で同時並行的に起こっている事態が臨場感をもって描かれています。
この手法はパニック・ムービーそのものですね。
ストーリー運びも丁寧。
いきなり規格外の昆虫がワラワラ出てくるのではなく。
変異を繰り返し、徐々に大きくなっていきます。
最初はちょっと大きいくらいの昆虫だったのに。
卵を産むことで、第一世代、第二世代というように変化していきます。
だんだんと「止められない！」「収集つかない！」となっていき。
そして最後は陰謀も何もかも、すべての計算を超え、加速度的に事態が悪化！
始まるパニック！！
面白いです。４巻完結。
一気に読みきりました。
さて、評価は？
残念なのは作画の技量。
荒いんです。
表紙の絵のクオリティを期待すると裏切られます。
昆虫はまだしも、人物はもう少し丁寧に描いて欲しかった。
著者の杉山先生のその他の作品のレビューを覗くと。
「話はいいのに作画がなぁ…」
な意見が多く。
やっぱりそう思うよね(笑)
とはいえ…。
この荒さがパニックホラー的ないい味を出してるのも確かです。
ということで【星６つ】。
ちなみに。
続編もあります。
(2011〜2015)続編は、本作より数年後の設定。
前作の登場人物も出てきますが、ストーリーは全く別物として、こちらから読んでも楽しめます。
背景などの作画クオリティが急激に上がっています。
優秀なアシさんが入ったのかな？
でも人物は相変わらずという。。
ストーリーはこちらも面白いんですけどね…。
ということで。
２シリーズまとめて読んじゃうのもオススメです。
１巻から読む
【その他の杉山敏作品】
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Aコース (原作：山田悠介／作画：杉山敏)
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