No.176
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/2巻完結
オススメ度9 ★★★★★★★★★☆著者:戸田誠二
出版社: 小学館
発売日:2008/2/29
巻数:2巻完結
「小さい星じゃ 東京では見えないよ」
短編の名手、戸田誠二先生の傑作短編集。
珠玉の「普通の人々」のストーリー。
それがこの「美咲ヶ丘ite」です。
概 要
「~に住む人」という意味を表す「ite(アイト)」。
どこにでもある街「美咲ヶ丘」に住む人々「美咲ヶ丘ite」たちが送る日常を描く。
心あふれる連作短編集。
収録作品は全2巻で12編。
戸田作品の中で1番好きな短編集です。
戸田先生の作品は、いつも市井に生きる「普通の人々」が主役です。
平々凡々の中にあるかけがえのない幸せ。
時に辛く、苦く。
たまに心がチクリと痛くなる。
でも。
やっぱり暖かい。
なんだか、人間愛にあふれたような作品です。
こういう日常を切り取った作品というのは、著者の人となりが反映されている気がします。
絶対、戸田先生っていい人。
な気がする・・・。
それくらい優しい視点。
共感を呼ぶストーリー。
主人公は、悩みを抱え、それでも頑張って生きている普通の人たち。
営業マンだったり。
主婦だったり。
フリーターだったり。
子供だったり。
キャリアウーマンだったり。
大事件は起きません。
奇跡もありません。
でも引き込まれる。
迷い、悩み、葛藤しながらも、問題を乗り超えていく姿。
そこに共感してしまうんですね。
さて、評価は?
12話、すべて面白い。
ハズレなし。
強いてあげるなら1巻4話の「スター!」と2巻最終話「テーマソング」がお気に入り。
まだ戸田作品を読んだことのない方。
最初に手に取る作品としては最適です。
絶対オススメの【星9つ】!
【その他の戸田誠二作品】
戸田誠二作品集 グリム奇譚
(化けの皮・唄う骨を収録)
(2012)
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(2010)
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(2005)
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