No.57
カテゴリ:SF/ミステリー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆著者:浦沢直樹 x 手塚治虫
出版社: 小学館
発売日:2004/9/30(1巻)
巻数:8巻完結
「ロボットは憎しみを持たないと思ったの?」
マンガの神様、手塚治虫先生の不朽の名作「鉄腕アトム」。
それを浦沢直樹 x 長崎尚志(編集者)の強力タッグがリメイクした話題作。
それがこの「PLUTO」です。
あらすじ
かつて世界平和のために活躍した7人のロボット。
その一人が何者かによって殺される。
7人のうちの一人、ロボット刑事のゲジヒトは捜査を開始するが…!?
この作品はリメイクです。
原作は、鉄腕アトムの「地上最大のロボット」。
鉄腕アトムの本編でも屈指の人気のエピソードです。
掲載は1964年というのですから….
なんと50年以上前!
あまりにも有名な作品。
「鉄腕アトム」は知っていても、その本編を全巻読んだことはない、という方は多いのではないでしょうか?
実は僕も、このリメイク版の「PLUTO」を読んでから、後追いでアトムの本編を読みました。
「地上最大のロボット」をベースにしながら、まるっきり新しい切り口のオリジナルストーリーに仕上がっています。
というか、完全に浦沢作品。
伏線に次ぐ、伏線。
意味深なカットの連続。
そしてラストに向かって大風呂敷をたたんでいく。
SFというよりミステリーです。
主人公はアトムじゃない?
本作の大きな特徴。
それはキャラクターがロボットでありながら、見た目が完全に人間だということ。
我らがアトム!
アトムの妹、ウランちゃん。
ね? もう人間だす。
さらに本作。
主人公は当然アトム!と思いきや、なんとロボット刑事のゲジヒトなんです!
ロボット刑事・ゲジヒト。
めっちゃ、渋い。
ちなみに原作のゲジヒトはこんなの。
舞台は近未来。
かつて世界平和のために活躍した7人のロボット。
その一人が何者かによって殺される、というところから物語は始まります。
刑事ゲジヒトという捜査官の目線で進むストーリー。
まさに刑事モノのミステリーサスペンス。
犯人は誰か?
プルートゥとは何者か?
フラッシュバックするゲジヒトの過去の記憶。
浦沢先生お得意の伏線張りまくり、謎が謎を呼ぶ展開です。
さて評価は?
作品に込められた強いメッセージ。
当時の世界情勢を織り込みつつ「正義とは何か?」「強さとは何か?」を問いかけてきます。
アトムファンのみならず。
「鉄腕アトム」を知らない世代でも、十分に楽しめます。
全8巻というボリュームもちょうどいい。
【星7つ】でオススメです。