No.167
カテゴリ:ホラー
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆著者:渡辺潤
出版社: 講談社
発売日: 2015/12/4(1巻)
巻数:1〜5巻以下続刊
「サァ…始マリダ…」
「代紋TAKE2」「モンタージュ」で有名な渡辺潤先生の新作異形ホラー!
それがこの「クダンノゴトシ」です。
あらすじ
大学の旅行サークルの7人組。
最後の卒業旅行の帰り道。
車で迷い込んだ山道で「異形の何か」を轢いてしまう。
彼らに告げられる「7日後にお前は死ぬ」という予言。
そして悪夢は始まる…。
件=くだん。
顔が人間で体が牛。
半人半牛の妖怪。
江戸時代から目撃され、予言をするという。
みなさん、どこかで一度は耳にしたことがある妖怪ではないでしょうか?
本作はその「件」をテーマにしたホラーということですが…。
怖えええぇぇ。
1巻の最初です。
山で「件」を轢いてしまうシーン。
7人が轢いてしまった何かに駆け寄ると、ぐるっと顔がこっちを向く。
そしてヤツの血まみれのお顔のどアップ。
見開きでドーーン!!
ビクッとなるわ!!!
いいですか?
いいですか?
こんな感じで?
はい!
目がぁ、目がぁぁあああ!
この光のない目が気持ち悪い。
スマホの方、まだマシでございますよ!
これを夜中、暗い布団の中でノートPCで読んでいた僕の怖さときたら。
ホントやめて……
ってなります。
ホラーか? ミステリーか?
最初は単なる妖怪による呪い系ホラーモノかと思いきや。
これは、違う!
巻が進むにつれ、どんどんとミステリー色が強くなっていきます。
「件」の生まれたわけ。
なぜ、この7人が遭遇したのか?
偶然なのか必然なのか?
登場人物たちの過去に原因がある様子。
フラッシュバックする記憶を頼りに何とか呪いを回避しようと奔走します。
その過程で明らかになっていく事実。
そして新たな謎の連続。
もう3巻を過ぎるとホラーというよりミステリー。
流石でございます!
ホラー要素より、謎解きの方が断然面白くなってきました!
これからに期待。
とはいえ、あくまで「件」がテーマ。
やや荒唐無稽なシーンや設定が増えているのが気になるところ。
どんどんと風呂敷が大きくなっているのですが、これ畳めるのか!?
「モンタージュ」で見せた、あの何重にも重なった過去のミステリー。
そして伏線の数々。
それらを見事に回収した渡辺先生です。
きっと今作も華麗にまとめてくれるはず!
まだまだ終わらない。
これから、もっと面白くなっていきそうです。
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