No.423
カテゴリ:ドラマ・サスペンス/ホラー
オススメ度9 ★★★★★★★★★☆
著者:二宮正明
出版社: 日本文芸社
発売日:2019/2/18(1巻)
巻数:1~3巻以下続刊
「この村の人間は人を喰ってる」
大好物キターーー!!
驚愕・戦慄の“村八分”サスペンスですと!
寂れた山村。排他的な村。
そこで起こる猟奇的な事件。
もう、読み始めたら止まりません。
それがこの「ガンニバル」です。
あらすじ
山間の村「供花村」に赴任してきた駐在・阿川大悟。
村の人々は大悟一家を暖かく受け入れるが、ある日、一人の老婆が遺体で見つかる。
村の者は熊の仕業だと断言するが、大悟は遺体に人の噛み跡のようなものを見つける。
やがて大悟は村の異常性に徐々に気付き始めるのだが…。
この表紙!このタイトル!
ハンニバル、、、?
いや!
ガンニバルだと!?
食人の村ですと?
おいおい〜。
またありがちなゾンビ系B級ホラーかぁ?
なんて。
最初はいわゆる安い猟奇的なスプラッター作品かと思いました。
なんの、なんの。
まったく違います。
プロローグから流れる重苦しい空気感。
導入部から物語は徐々にスピードを上げ、一気に加速していきます。
過去に問題を抱える主人公。
次々と登場する怪しい村民たち。
誰が敵で味方なのか?
これは閉鎖的な山村で起こるサスペンスです。
おいおい!
めちゃくちゃ面白いやんけ!
ガンニバルな人たち。
阿川大悟。
「供花村」に赴任してきた駐在。
かつては刑事だったが、ある事件をきっかけに駐在員となる。
阿川有希。
大悟の妻。巨乳。気が強い。
阿川ましろ。
一人娘。大悟の起こしたある事件がきっかけで口が聞けなくなる。
後藤恵介。
古くからの村の大地主、後藤家の息子。
狩野すみれ。
失踪した前任の駐在の一人娘。
父が後藤家に殺されたと訴える。
みんな怪しい!
プロローグ。お決まりのフラグ。
なんて言ってると。。。
事件は起こる。
村の有力者の後藤家のおばあさんが山で遺体で発見される。
本当にクマ?
でも気付いちゃった。
キラーーーン!!
て、、こえええよ!
からの~、またこの裏返し。
いや、ほんと。
ものすごく分かりやすい怪しさ。
とにかく出てくる村民みんな。
何か裏がありそうだ、ってヤツばっかり。
う~~~ん、怪しい!
集まりだす様々なピース。
妻の有希が駐在所兼、住居で見つけたのは…?
逃げろ??
娘のましろが散歩で見つけてきたのは…?
指??
失踪した前駐在の娘の訴え。
徘徊する謎のジジイ。。
なんか、、、喰ってるよね?
う~~~ん、怪しい!
さて、評価は?
表紙やタイトルで、やけに”食人”にスポットが当たっていますが。
そこがポイントではありません。
綿々と残る古い因習。
禁忌、畏れ、タブー。
新参者である警官が孤軍奮闘する。
それは村民の反感を買い。
やがては四六時中、村民に監視されているかのようになってゆく。
駐在一家がだんだんと追い詰められていく様子が描かれていきます。
古い昭和のドラマのような、懐古的なファンタジーではありません。
インパクト勝負のぶっ飛び設定漫画でもありません。
あくまでも。
現実的な範囲でドラマが展開します。
こんな村、あるかもな!?
と思わせてくれる妙なリアルさがあります。
だからこそ、手に汗握る。面白い!
読んでから気づきました。
あの『鳥葬のバベル』の作者さんです。
ペンネームが変わっていたので、読み始めるまで気づきませんでした。
作画に勢いと凄みが増しています。
めちゃくちゃ好きなタッチだ。
でも、なんでペンネームが変わったのだろう?
ま、そこはさておき。
既刊3巻まで一気に読了。
今の所、先の読めない展開で、一向にダレる気配はなく。
さらに謎が謎を呼び、物語が深くなっていく途中です。
続きが気になりすぎて、ハゲそう!の【星9つ】で。
完結まで見届けます!
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【その他の 二宮正明 作品】
鳥葬のバベル (全4巻) *二宮志郎 名義
(2017)
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