No.421
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:緋鍵 龍彦
出版社: 講談社
発売日:2017/11/7(1巻)
巻数:2巻完結
「私は知らなかった この世界のことを…なにも」
籠の中にとらわれた少女の命を懸けた脱出劇、開幕!
というのが。
連載スタート時のキャッチコピー。
いったい、どんな物語が始まるのか?
密室を舞台にしたデスゲーム?
いえいえ、違うんです。
予想を思いきっり裏切ってくれます。
それがこの「ドレッドノット」です。
あらすじ
いまだ就職活動中の大学生、詩織。
ある日、駅前で声をかけてきた男に誘われて突発的にアルバイトをすることに。
タクシーに乗せられて移動する途中、急激な眠気に襲われ、目を覚ますと、そこは見覚えのない不気味な密室。
彼女は無事にここから脱出することができるのか……?
また、デスゲームものかぁ?
もうお腹いっぱいだよお!!
なんて、思って読み始めた数ページ後。
やられた。
ネタばれしたくない人はこの先を読まないでください…。
↓
↓
↓
↓
↓
いいですか?
いいんですね?
これは…
恐怖の館で繰り広げられる…
大人の青春ストーリー!
って、なんじゃそりゃ!?
1巻の表紙にご注目。
そこにネタばれが書いてあります。
ズームイン!!
↑ はい、ココ!
分かりました?
タイトルの下に小さく書かれた副題。
『恐れ知らずのお化け屋敷』
お化け屋敷?
そうなんです。
これは「お化け屋敷」を作り、プロデュースする運営の舞台裏を描いた物語。
なんという目のつけどころ!
うーむ。面白い!
ドレッドノットな人たち。
伊坂詩織(いさか しおり)。
就職活動中の大学生。
二瓶 氷吾(にへい ひょうご)。
お化け屋敷クリエーター。
「ドレッドノット」のプランナー。
柳楽龍之助(やがら たつのすけ)
ドレッドノット社長。
すべての人に恐怖を。ただし安全に。
悲壮な形相で逃げ惑う少女のカットからスタート。
ホラー系・デスゲームのプロローグのように始まる第1話。
この!
あざとすぎるミスリード。
あえてそれに乗せられて読み進めてみるのが楽しい。
いつ、ネタばらしが来るんだ?ドキドキ…
みたいな。
少女は男に声をかけられ、バイトに向かう。
ああ、眠っちゃダメ!
どこに連れて行かれるの!!
から〜の、このセリフ。
デスゲームの始まりか!?
怖い。。
少女が起きたら、そこは…?
惨劇の館…。
パニィッーーーーーク!!!
って。
実は。
はい、ネタばらし。
お化け屋敷のモニター調査でした❤️
って、そうなるわ。
眠ってる間に、何も聞かされずに。
お化け屋敷に放り込まれたらパニックなるわ!
普通なら激怒してしまうところ。
って? あれ?
あまりのお化け屋敷の「怖さ」のクオリティに感動してしまった詩織ちゃん。
お化け屋敷制作に魅せられてしまいます。
そのお化け屋敷を制作する会社が「ドレッドノット」。
会社のキャッチコピーは
これいいわー。
って、ことで。
お化け屋敷クリエーターになるべく、主人公が制作会社ドレッドノットに押しかけ就職してしまいます。
そこから描かれる、お化け屋敷制作の舞台裏。
これが何とも魅力的!
企画デザイン。設営・運営。
「文化祭の準備」がずっと続いているような。
読んでいて、ワクワクが止まらない。
そして羨ましい仕事だな〜、なんて思ってしまいます。
主人公が四苦八苦しながら奮闘し成長していく姿は、まさに大人の青春ストーリー。
さて、評価は?
2巻完結。
読後感スッキリ。
爽やかに終わります。
でも、ちょっともったいない気も。
もう少し続いて欲しかった。
お化け屋敷の制作過程が描かれたのは、実質1つの案件だけ。
もういくつかのパターンを見たかった。
ドレッドノットの他のメンバーたちも魅力的なので、それぞれにスポットを当てたエピソードも欲しかったところ。
10巻くらいまで続いたら、きっとドラマ化とかもやりやすかったかもしれない。
いまいち話題にならずに終わってしまった感があり、残念。
ということで【星7つ】。
手軽にスッキリと読みたい方にオススメです!
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