不安の種

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No.50
カテゴリ:ホラー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆

著者:中山昌亮
出版社: 秋田書店
発売日: 2004/6/24(1巻)
巻数:不安の種:3巻完結/不安の種+:4巻完結

「ついて…きた…」

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中山昌亮先生がホラー作家として大きく舵を切った、記念すべき作品。
「不安の種」全3巻「不安の種+」全4巻で構成されています。

TVドラマ化もした刑事漫画「PS羅生門」の時に好きになり。
さぁ、次の新作はどんなのだろう?
と、期待して待っていた時に出たのがこの「不安の種」。
当時の印象は「なんじゃこりゃ?」

概 要

短編というより超短編。
2~5ページで1つのエピソード。
怖いというより、モヤッとする感覚。
色々な怪異が描かれていますが、そのすべてに答えがない。
なにも語られない。
先も描かない。
ゾッとする一瞬を切り取り並べていく。


感 想

暗闇の中で想像で何かを見てしまう、子どもの頃のあの感覚。
「不安」の種を読者に蒔く、というコンセプトです。

各エピソードの後には実在するであろう場所の表記や写真が添えられています。

実話っぽくしながらも真偽はわからないまま。
わざと読者の日常世界につなげて「不安」を残す、この手法が見事です。


たとえば。
こんな感じでストーリーが始まり。
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怖いことが起こり….。
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ぞわわ…
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エピソードの後に話の風景とよく似ている写真を載せる。
場所はボヤかす。
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やめて!
これ、近所って気づいたらメチャ不安なるわ!

こういうのが延々続きます。

巻が進むにつれてだんだんと「モヤッ」が「ゾワッ」に変わっていきます。
明らかに怖さの表現が洗練されていく。
そして中山ホラー独特のあの「怖い顔」が増えて…。

その磨き上げられた怖い顔の表現が、現在連載中の「後遺症ラジオ」に続いてゆくわけです…。

この作品は怖さの受け取り方が読者側に求められるかと。
読み進めるのが怖い…となる類のホラーではありません。

夜中に街灯の暗い場所を散歩しても「ビクッ!」としたこのない人は怖くならないかも…。

不安の種+ 全4巻を読む
(2007〜2008)

不安の種 全3巻を読む
(2004〜2005)


【その他の中山昌亮作品】

書かずの753 全2巻
(2014〜2016)

後遺症ラジオ 1〜6巻
(2012〜)
記事を読む

FLAGMAN
flagman(2011)

泣く侍 全3巻
(2006〜2008)

迷彩都市 カモフラージュ・シティ 全2巻
(2006)

PS-羅生門- 全9巻
(2002〜2005)

レネゲイド
(2002)
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突破者太陽傳 全3巻
(1999)

オフィス北極星 全10巻
(1994〜1998)

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