No.52
カテゴリ:ホラー
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆著者:花沢健吾
出版社: 小学館
発売日: 2009/8/28(1巻)
巻数:22巻完結
「ZQN…」
日本版ウォーキングデッド。
ゾンビものです。
ここまで有名になった作品ですので言っても大丈夫ですよね。
あらすじ
売れない漫画家、鈴木英雄。
その日常は突然終了する。
噛まれるとゾンビ化する謎の奇病が発生し、日本中が崩壊していく。
生き残った人間とZQN(ゾンビ)との究極のサバイバルが始まる…。
1巻が出たのは8年前。
まだここまで花沢先生が売れて!? いたわけではなく。
好きな作家の新作ということで手に取りました。
前作「ボーイズオンザラン」が大好きだったので、その流れで「さえないダメ男」の話を期待してました。
主人公のキャラも前作と似てましたし。
ゾンビものと知らずに買ったYO!(笑)
僕は好きな作家の新作の1巻目を読むときは、なるべく前情報を入れないようにしています。
連載も読みません。
噂も調べません。
Amazonのレビューも事前に読まないようにしています。
その方が純粋に楽しめるし、驚きがあるから。
1巻は漫画家の日常。
なので、この「アイアムアヒーロー」。
1巻終盤まで「漫画家志望のダメ男の日常だ~」よし、思った通り…。
と、ニヤニヤしながら読んでいたのですが、1巻も終わりにさしかかり。
あれ…?
そして最後の数ページ。
まさかの展開。
オイオイオイ!こっち(ホラー)かよっ!!
嫌いじゃないよ。
嫌いじゃないけどぉ!
これだけ引っ張って、こうなのか。
2巻からはZQN(ゾンビ)相手のサバイバルパニックホラーと化します。
ホラー漫画をホラーと知らずに読み進めると面白い!
新しい発見をしました(笑)
これぞサバイバル!!
容赦なく周りの人間が死んでいく。
ダメ男、臆病者だからこそ、生き抜ける世界。
なるほど。
主人公が銃を扱っても違和感のないような設定と理由を1巻かけて描いていたんですね。
ウォーキングデッドと違って、日本が舞台で急に銃がバンバン出てきたら
ご都合主義過ぎて冷めてしまいますもん。
まず現時点でパニックホラー漫画の傑作です。
展開が遅いという意見もありますが、登場人物たちの行動心理をじっくり描いているからこそ、ストーリーに説得力があります。
戦う人、逃げる人、裏切る人、犠牲となる人…。
いざという時の行動が「なるほどな」となります。
でも歯がゆい。
ただね。
だんだんと刊行ペースが落ちてきているのが辛い。
スピード感重視の展開なのにコミック派としては歯がゆいのです。
1巻が出てからおよそ8年経ちました。
なのに本編の中では1か月も経っていない(驚)
まだ未読の方は、一気読みがオススメ。
その方がこのサバイバルの世界観にどっぷり浸れます。
とりあえず最新刊までいっときましょう!
ついに・・・完結。
【3/30追記】
最終巻となる22巻、読みました。
さてと。
ひと呼吸おいて。
ああああ゛あ゛あ゛んんん!!!!
俺の8年間を返せ!!
ここまで追いかけてきたのに。
【星10】をつけるほどオススメしたのに。
21巻までは最高です。
でも。
今回の突然の最終巻。
いやな予感はしてました。
壮大に広げまくったこの風呂敷。
この1巻でたためるのか?
伏線の回収が追いつくのか?
ホラー漫画史上の傑作となるはずが。
完全にご自身の創作キャパを超えてしまった模様。
著者が風呂敷を畳むのを放棄してしまった。
最後の最後で手放してしまった…。
最高傑作になるはず、、、いや。
なれるはずだった漫画なのに。
なんと勿体ない。。
口惜しい。。。
こんな終わり方を選んでしまうとは!
8年を費やし描いた日本漫画史上、最高となるはずのパニックホラーは。
伏線全て未回収!
ラストは投げっぱなしジャーマン!
の、駄作と成り果てました。
予想通りというかなんというか。
Amazonレビューは落胆の嵐。
最終巻にたどり着くまでの、度重なる休載で。
すでに離れてしまっていた初期の読者も多数いました。
それでも、ラストの終わりに賭けてついてきていた読者。
その全てを裏切るような結末。
なんでだよう…。
こりゃ、納得いかねぇわ!
ただ、僕は。
まだ諦めていない。
ひょっとしたら続編があるのではないか・・・?
その希望を捨てきれない。
「アイアムアヒーロー リターンズ」が来るか!?!
とりあえず、オススメは【星8つ】に下げ、様子見です。
阿鼻叫喚のAmazonレビュー。
作品への読者の想いがほとばしっています。
【その他の花沢健吾作品】